けんかで相互理解

なんとかスクールでは自分の過ごしたいように過ごすことを大切にしている。
「過ごしたいように過ごす。」ということは、何かを強制させられることがないのだから喧嘩になりそうなことは起こらないと思うかもしれないが、そんなことはない。
むしろ時間の使い方が決まっている時間よりも、自由に過ごしている時間の方が喧嘩は起きやすいかもしれない。
行うことが明確な授業中や塾、スイミングスクールなどでは喧嘩は起きそうにないが、好きなことをして遊んでいる休み時間や放課後に喧嘩が発生する。

好きに過ごすと言っても、やっぱり子どもは他の子と関わりをもとうとする。
なんとかスクールに通ってる子の中には、「みんなでしたい。」「○○君と虫とりで遊びたい。」と、思いを伝えてくれる子がいる。そうして、1人ではなく誰かと遊ぶことが多くなる。そして喧嘩になる。笑

喧嘩している二人の話を聞いていると、いろいろな言葉が出てくるが、気持ちの面では
「○○は僕の思ってるように動いてくれない!なんで、そんなことするんだ!」
ということが多い。
そして、お互いの気持ちを聞き合って、これからどうしたいのか、喧嘩してた2人と僕で考える。またしばらくすると、同じような喧嘩をする時もあるし、それでその日は仲良く終わるときもある。

今日も喧嘩をしている2人の間に入って話を聞いていたのだが、いつもと違うなと感じたことがある。
一つ目は、喧嘩をした後に気持ちをしっかり聞き合うことができたこと。
二つ目は、「なんでそんなことをするんだ!」と言わなくなったこと。
これまでなら「なんで、そんなことすんねん!そんなことするならもう一緒に遊ばへん!」と言ってしまっていた場面でも、「どうしたん?何か嫌なことがあったん?」と、近くまで来て気持ちを聞いている姿があった。

まさに、心の器が広がる瞬間だった。
喧嘩をした後に気持ちを聞き合えたことがよかったのかなーと感じる。
寄り添ってもらった方も、一緒に遊ばへん!と言われるのではなく、友達の優しさに触れることができた。
きっと、お互いはお互いのことをもっと好きになったことだろう。

なにかトラブルになっている間に入り、話を聞き合うことはとても気力が要る。
こちらが裁いたり決めつけたりしないので、話し合っても解決策が出ないことの方が多い。それでも、目の前の出来事を大切に扱うことには価値があると実感できた活動だった。

上村

まるや(旧・進化型コミュニティーハウスかどや)

高槻市原にある築150年の古民家「まるや」。学び合って育ち合う文化を作っています。

0コメント

  • 1000 / 1000