ドラム缶風呂準備とバーベキュー準備と飯盒でご飯を炊くの大人一人じゃ絶対むり、、、

夏休みに、二人の子どもがかどやに遊びに来た時のことです。

昼過ぎに来て、次の日の昼に帰るというスケジュールでした。

こちらが主催したキャンプではないので、準備や段取りなども全くなく、単に遊びに来るということでした。

ただ、単に遊びに来るといっても、普段接している姿からガラッと態度を変えたり、子どもたちの安全を管理しなかったりということはもちろんできないので、普段と同じような感じでした。結果的に、もしキャンプをするならこんなキャンプもありだなという二日間でした。


子どもたちが一日目の昼過ぎに来て、僕は二日間どう過ごしたいかを聞きました。

出てきた意見は、、

○川に行きたい

○何か作りたい

○ドラム缶風呂したい

○夜はゲーム大会がしたい

○夜に散歩したい

○バーベキューしたい

○ご飯を炊きたい     

などが出ました。

この案を聞いて、僕(上村)は一つの不安がありました。

「ドラム缶風呂準備とバーベキュー準備と飯盒でご飯を炊くの大人一人じゃ絶対むり、、、」

どの作業も、だいたい同時進行で準備は行われていきます。それに、今日来た子ども二人組は、飯盒を使った経験もなければ、火をつけた経験もありませんでした。しかも、準備をしたり片づけたりすることよりも、遊ぶことが大好きな二人だったことも不安に拍車をかけました。


そして、川遊びを終えて夕食と風呂の準備に取り掛かる時間になりました。

まず、夕食と風呂というゴールに向けて作戦会議をしました。僕はBBQ係、一人はドラム缶風呂係、もう一人は米を炊く係となりました。

途中で何度もあっちからもこっちからも「助けてー!」と、声が聴こえます。僕も、助けに行けるときは助けに行けますが、手が離せない時もあります。

しばらくしてから見に行くと、風呂係と米炊き係が一緒に試行錯誤しながら火をつけようとしていました。さらに、米を炊く火が安定してきたら、米炊き係の子がドラム缶風呂を手伝うなど、結局、子ども二人で、米を炊きドラム缶風呂にはった水を入りやすい温度にすることができました。結局、大人一人じゃ無理だと思っていたことは杞憂に終わりました。

さらに驚いたことは、夕食を食べながら子どもたちが勝手に振り返りを始めたことです。

「ご飯ちょっと焦げたなー。もうちょっと火を弱くしたらよかったかなー。」

「お風呂のお湯めっちゃええ感じにできたなー。」

と、協力して準備した過程を話し合っていました。かつて、子どもたちと活動をしたときに、「どうしたら子どもたちは振り返りをするのだろう。」と悩んでいたことに対する、一つの答えがそこにはありました。


ご飯を作って、お風呂に入る。それだけのことですが、一緒に作業する過程に、人とのつながりを感じることができました。準備や片づけを「やりなさい!」と言う必要は全くありませんでした。子どもたちの中に「自分たちのキャンプだ。」という自覚があれば、勝手に良いものになっていくんだろうと感じます。そして、その気持ちは誰かから説得されるものではなく、自分で感じていくものだと思いました。

いずれ、ここに来る子どもたちが、この場所を「ここは自分たちの場所だ。」と強く感じることができたら、子どもたちにとっていい場所になっていくんでしょうね。そうやって、少しずつ良い文化ができていけばいいなーと思います。

上村



まるや(旧・進化型コミュニティーハウスかどや)

高槻市原にある築150年の古民家「まるや」。学び合って育ち合う文化を作っています。

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